TAMSAN BLOG

シンガポール建国50周年イベント特設サイト「SG50」に見る、シンガポール向けWEB施策

今回は、来年、建国50周年を迎えるシンガポールの、50周年記念イベントに向けたアイデアコンペのサイトを見ながら、対シンガポールマーケットの、WEB施策を考えます。

まず、50周年を祝うイベント”SG50”の概要

WEB施策の前に、SG50サイトの目的や想定ユーザについて想像してもらいやすくするため、まず”SG50″についてご紹介します。

SG50は、”the year-long series of events”という1年を通して行なう建国50周年記念イベントで、
このイベントの内容が、公募により決定します。

2014.1.24から、教育省の率いるSG運営委員会が、以下の特設サイトにてSG50のアイデアを募集中です。

Singapore's 50th birthday website
SG50のWEBサイト


リッチコンテンツもあります。シンガポールのことがよくわかる動画で、秀逸です。

誰でも応募可能ですが、以下の3つのコンセプトを満たしている必要があります。(以下、和訳は藤原)

1. Raise awareness of our Singaporean identity and sense of belonging to Singapore;
(シンガポーリアンたるアイデンティティや、シンガポールへの帰属意識を、高揚させてくれること)

2. Reach out and engage the community; as well as
(シンガポール社会に手を差し伸べて、社会の役に立つこと)

3. Show potential in successful completion and execution according to plan.
(成功の可能性があり、プランの実現性があること)

見事、選考を通過したウィナーには、プロジェクトにかかる費用の90%が、上限5万シンガポールドル(≒400万円)として政府から補助されます。

SG50の実施している、シンガポールマーケット向けWEB施策

シンガポール50周年イベントのサイトということで、かなり気合の入ったサイトになっており、
シンガポール向けWEBマーケティングを考える際、参考になる点は少なくないと考えられます。

レスポンシブウェブデザインで、モバイルユーザへ対応

SG50はレスポンシブウェブデザイン

シンガポールは、世界でNo.1、2を争う、モバイルデバイス(スマートフォン、タブレットなど)所有率である一方で、
スマートフォン、タブレット端末からのアクセスに最適化されたサイトはまだまだ多いとは言えない状態です。

SG50サイトについて、サイト訪問者の利用シーンを考えると
・通勤中に、スマートフォンでアクセス
・自宅でくつろいでいる際に、タブレットで閲覧
・勤務中に、PCで閲覧する
など、様々なケースが想定されますが、
ユーザの閲覧するデバイスは多岐にわたるため、モバイルユーザへの対応が必須であることは明らかです。

今回、SG50では、レスポンシブウェブデザインが採用されており、モバイルユーザへの対応がされていますが、

さらに特筆すべきこととして、
ウィンドウの幅が狭い場合(モバイルで閲覧した場合)は、読み込むJavaScriptを少なくすることで、
サイト表示速度の面でモバイルユーザがストレスを感じないよう設計されています。

レイアウトの問題だけでなく、モバイルで閲覧された際も、きちんと伝えたいことが伝わるサイトになっていて、モバイルゆえに感じるストレスがないか、などはいつも注意しないといけない点ですが、
SG50では、きちんとこの点がクリアされています。

フラットデザインの採用

シンガポールではどんなデザインが主流ですか? とよく聞かれますが、
中国ほど特殊な事情はありません。(注意すべき点はありますが、それはまたの機会に)

SG50では、フラットデザインが採用されていまして、

Singapore's 50th icons

このあたりのトレンドは、日本とあまり変わりがない印象です。

流入施策

確認できている限り、SG50では、以下の流入施策を行なっています。
特別なものはなく、スタンダードな施策を満遍なく行なっている印象ですね。

・Facebookページと、Facebook内の広告
・動画広告(シンガポールにお住まいの方は、Youtubeでご覧になったことあるのではないでしょうか)
・ディスプレイ広告

Singapore's 50th facebookページ
SG50のFacebookページ

つまり何が言いたいのかと言いますと・・・

① レスポンシブウェブデザインで、全てのデバイスに対応(モバイルユーザの閲覧スピードにも配慮!)

② フラットデザインで、スタイリッシュに

③ 流入施策もひと通り

大枠で捉えますと、上記の通りでして、
もちろん、シンガポール特有の事情もあるわけですが、

シンガポール! と身構える前に、WEBマーケティングの基礎的な戦略を抑えた上で、
シンガポールの人たちの意見を混じえたりしながら、戦略をローカライズすることが大切です。